ここ数日、たんぽぽの職員の間では、「天気予報どう?」「波は?」という会話が、何度もくりかえされていました。
さくら(年長)組とひまわり(年中)組の子どもたちもずっと前から楽しみで楽しみで、待ちかねていました。
昨年、悪天候とコロナのせいでやれずに終わった「地引き網体験」
みんなの願いが叶って・・・みんなの日頃の行いの良さのせいで?
今日、お天気よし! 波よし! 最高のコンディションで実施できました。
ひまわり組は、みんなでバスで出かけるのは初めて。ちょっと緊張気味に乗り込みます。
さくら組は、年長になってもう3回目、なんだか余裕です。
現地に到着後、準備終わって砂浜に出ると素晴らしい景色、かもめもたくさん舞っています。
ちょっと遊びながら待っていると
漁師さんの船がやってきて、早速網を敷いていきます。
準備完了、さあ、引くぞ!
網の片方の端をひまわり組が引っ張って押さえながら移動します。
「ほれ、頑張って!」と漁師さんにも励ましてもらいながら、一生懸命です。
もう片方をさくら組が、どんどんどんどん引っ張っていきます。
後ろまで引いたら、すぐに前に行ってまた引いて、の繰り返し。
網が陸に上がってきたら、それぞれ二手に分かれて、網が地面に着かないようにピンと張りながら引っ張らなければいけないのですが、これがけっこう難しくて、砂が付いた網がさらに重くなって引きにくくて・・・
それでも、誰ひとり途中で投げ出すことなく、最後まで頑張って網を引き揚げ、これだけの魚が獲れました。
自分たちで獲ったお魚を見るみんなの目は真剣そのもの
お魚の説明も熱心にしっかり聞いています。
園に持ち帰る魚と海に返す魚をより分けて
海に返すのは、みんなの仕事です。
これも結構楽しくて、波打ち際で「えいっ!」と投げると、それを狙ってカモメやカラスが集まってきました。
さくら組もひまわり組も本当によく頑張りました。
ここまででひとまず終了で、この後、園に帰って給食・お昼寝だったんですが、
獲った魚を食べるまでが、たんぽぽの「地引き網体験」
さくら組ひまわり組の今日のおやつの食材は、自分たちで獲った魚「チカ」です。
持ち帰った魚を厨房の職員さんがすぐに処理して、天ぷらにしてくれました。
「獲れたて揚げたて」のサクサクの天ぷら、おいしくないわけがありません。
ふだんお魚が苦手な子からも「おいしい!」の声があがりました。
(同じように地引き網体験をしながら、持ち帰らずにそのまま海に返したり、自園で調理して食べずに職員や各家庭で持ち帰ったりする幼稚園やこども園が多いと聞きます。そんな話を聞くといったい何のためにやっているのかと思います。どうやって魚を獲り、それがどうやって調理されて自分の口に入るのか、それを身をもって学ぶことができる絶好の機会なのに、ただ「たのしかった」の体験で終わるのはもったいなさすぎます。)
さらに、おまけ。
地引き網に一緒に入っていたカニ(モクズガニ)とエビ(イソスジエビ)とカレイ(カワガレイ)を生きたまま持ち帰って、たらいに入れて、お昼寝の後玄関ホールに置いたところ
さくら組ひまわり組ばかりでなく、小さいクラスの子たちも興味津々。
お迎えが来ても、たらいの前からなかなか離れようとしません。帰るまでに30分かかった子もいました。
本当は早く帰りたいという思いもあるでしょうに
「(子どもたちが)みんな引っかかっちゃう」と明るくおっしゃりながら、
カニや魚にくぎ付けになっているお子さんを微笑ましくゆったりと待っている保護者の方々が大半で
そんな親子のかかわりを見ていると、とっても幸せな気分になりました。