たんぽぽのある石狩市は、全国の市町村でいちばん最初に手話言語基本条例が制定された街です。
そのため、すべての小・中学校に市からろう者講師と手話通訳者が派遣されて手話の授業「手話出前講座」が行われています。
認定こども園では、めずらしいのですが、普段からちょこちょこ手話をやっているさくら(年長)組、今日「手話出前講座」を行いました。
ろう者の講師は、去年も来てくださったSさん。まずは自己紹介で、「私は若い時に耳が聞こえなくなりました。」と聞こえなくなったいきさつをお話ししてくれました。
さくら組のみんなは、よりみっちりと習えるように、2チームに分かれました。
Sさんのお話しに、しっかりうなづきながら、なかには「かわいそう・・・」と声を出す子も。
(本当に「かわいそう」かどうかは、もっと大きくなってから考えるべき難しい課題。それより、この年齢で、こんなお話をしっかり聴いて気持ちを動かせることがとても素敵だと思います。)
はじめに、もう知ってる自分の名前の手話をやって、Sさんから自分の名札をもらいます。
驚いた講師のSさんから、「すごい!できるんだ。ちゃんと伝わったよ。」と、とってもほめてもらえました。
Sさんに「何かきいてみたいことある?」ときかれると・・「はい!」「はい!」と手があがって
「電話はどうするんですか?」・・・「テレビは見てわかるんですか?」・・・
手話通訳してもらってSさんに伝わると、「いい質問だねえ!」とまた驚いて、また誉められました。
次に、一緒に来た市の手話通訳さんたちにも手伝ってもらいながら、簡単な手話表現を次々やっていきます。
「みんなは何歳なの?」ときかれて・・・これはできるよ!「6」
どうぶつの表現、「さる」はどうしたらいい?・・・こうかな?
じゃ、「ねこ」は?・・・こうだ!
とっても積極的に表現する年長さんたちに、皆さん感心しきりでした。
ず~っと楽しく教えてもらって、最後はSさんの「小学校に行っても手話の授業があるから、もっともっと手話を覚えて、わたしたちろう者とお話しできるようになろうね!」という言葉に、みんなで「は~い!」と元気に返事して終了。
毎日の園生活で少しずつやって覚えた手話を一生懸命表現して、実際に聞こえない人に伝わったという実感と満足。その経験を通して「相手にわかるように伝えることが大切」という、当たり前のようで実はあまりできていない事が多いコミュニケーションの基本を、みんな少しだけど確実に理解できたのではないかと思います。